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福岡高等裁判所 昭和24年(つ)338号 判決 1949年11月07日

被告人

德永義人

主文

本件控訴を棄却する

当審の訴訟費用は被告人の負担とする

理由

原判決が窃盜の事実を判示するにつき、被告人等が窃取した品目数量のみを記載し、盜品の價額を記載していないことは所論の通りである。しかし、有罪判決には罪となるべき事実を判示すればいいのである。從つて窃盜罪の判決においては財物であることを示すに足る盜品の品目数量を判示すれは十分であつて更にその價額即ち盜品の評價額をも記載することを必要とするものではない。そして犯行の軽重情状の鑑別從つて量刑の適否の判定には盜品の價額の大小がその重要な一資料であることは所論の通りではあるが、之のみがその総てではなくなお記録に現われた被告人の性格、年齢、境遇、及犯罪後の情況等一切の事情を参酌するのだから、判決書自体に盜品の評價額を記載していなくとも、少しも不都合はなく、その記載がないという一事で判決が不法となるものでもない。

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